ランドリールームは必要?|間取りと動線から考える

公開日:2026/10/29(木) 更新日:2026/10/29(木) 設計・間取り
こんにちは。インテリアコーディネーターの石原紗知江です。
埼玉県深谷市を中心に、埼玉県北部や群馬県南部で家づくりのお手伝いをしています。

 

 

ランドリールームがあれば、家事はラクになる?

 

ランドリールームは、家づくりで取り入れたい間取りのひとつとして、

打ち合わせの時から、よく話題に上がります。

 

洗濯物を天候に左右されずに干せることや、

洗う・干す・畳むといった作業を一か所にまとめられること。

 

毎日の家事を考えると、魅力を感じる方も多いのではないでしょうか。

 

一方で、洗濯の仕方は家庭によってさまざまです。

晴れた日は外に干したい方もいれば、室内干しを中心にする方、乾燥機を使う方もいます。

 

洗濯の回数や量、仕事や家事に使える時間によっても、

使いやすい場所や動線は変わってきます。

 

また、ランドリールームを設けるには、そのための床面積が必要です。

 

限られた面積の中で専用の部屋をつくることが、

必ずしも暮らしやすさにつながるとは限りません。

 

大切なのは、ランドリールームがあるかどうかではなく、

毎日の洗濯を無理なく行えること。

 

今回は、ランドリールームの必要性や広さ、設けない場合の間取りについて、

洗濯動線と暮らし方の視点から考えてみたいと思います。



1.ランドリールームは何帖必要?洗濯方法から考える広さと使い方

 

ランドリールームを考えるとき、最初に確認したいのは、

普段どのように洗濯物を乾かしているかということです。

 

洗濯物をすべて室内に干すのか、乾燥機を中心に使うのか。

それによって、必要な広さや設備は大きく変わります。

 

 

例えば、4人家族の洗濯物をすべて室内に干す場合、

衣類やタオルを干すための十分なスペースが必要です。

洗濯物同士の間隔や人が通る場所も考えると、

2帖や3帖という広さだけで判断することはできません。

 

一方、乾燥機を中心に使う場合は、干す必要のある洗濯物が限られます。

 

乾燥機にかけられる衣類やタオルは乾燥機を使い、

デリケートな素材のおしゃれ着などは室内に干す。

このように使い分けることで、物干しスペースをコンパクトに計画できます。

 

では、ランドリールームは何帖あればよいのでしょうか。

 

乾燥機を中心に使う場合、

2帖程度でも洗濯機と物干しスペースを組み合わせた計画が可能です。

3帖程度の広さが確保できれば、洗濯物を畳むための作業台やシンクを設けるなど、

使い方の選択肢が増えます。

 

例えば、我が家のランドリールームは3帖。

洗濯機、ガス衣類乾燥機、マルチシンクを横並びに配置しています。

 

作業台は設けていません。

洗濯物は立ったまま畳み、アイロンもハンガーにかけたまま使える衣類スチーマーが中心だからです。

アイロン台が必要なときは、隣接するファミリークローゼットを使っています。

 

同じ3帖でも、必要な設備や使い方は家庭によって異なります。

作業台があれば便利とは限らず、普段の家事の仕方によっては、

何も置かないスペースを確保する方が使いやすいこともあります。

 

また、洗濯物の干し方は季節によって変わることもあります。

 

冬場は室内が乾燥しやすいため、洗濯物を室内に干すことで加湿にもつながります。

普段は乾燥機を使っている家庭でも、冬は室内干しを取り入れるという選択肢があります。

 

反対に、夏場や梅雨時期は、室内に大量の洗濯物を干すことで湿気が増えます。

乾燥機を活用するなど、季節に応じた使い分けも考えられます。

 

ランドリールームの広さは、単に広ければよいというものではありません。

 

洗濯物の量、乾燥方法、季節による使い分け、そして洗濯後にどのような作業をするのか。

毎日の洗濯方法を整理することが、必要な広さを考える出発点になります。



2.ランドリールームを設けない間取りもある

 

ランドリールームがあれば、洗濯に関わる作業を一か所にまとめられます。

しかし、すべての家庭に専用のランドリールームが必要なわけではありません。

 

例えば、洗濯物は外に干したいという方。

 

日当たりのよい場所に洗濯物を干し、乾いたら取り込んで収納する。

そんな洗濯の仕方が日常になっているのであれば、

無理に室内干しのための場所をつくる必要はありません。

 

その場合に大切なのは、洗濯機から物干し場までの距離や、

取り込んだ洗濯物をどこにしまうのかということです。

 

洗濯機のある場所から外の物干し場まで何度も移動したり、

取り込んだ洗濯物を家の中のあちこちへ運んだりするようでは、

毎日の負担が増えてしまいます。

 

専用のランドリールームがなくても、洗濯の流れに沿った間取りを考えることで、

家事のしやすさは変わります。

 

また、家づくりでは、限られた床面積をどのように使うかという判断も必要です。

 

ランドリールームに2帖や3帖を確保するということは、

その分の面積をほかの場所には使えないということでもあります。

 

例えば、収納を充実させたい、家族が過ごす場所を大切にしたい、

あるいは建物全体をコンパクトにまとめたいという場合もあるでしょう。

 

ランドリールームを設けることで、ほかの場所が使いにくくなってしまうのであれば、

間取り全体を見直す必要があります。

 

洗面脱衣室に洗濯機を置き、必要に応じて室内物干しを設ける方法もあります。

乾燥機を使うのであれば、専用の物干しスペースを設けずに洗濯を完結させることも考えられます。

 

家づくりでは、取り入れたい設備や間取りが増えていくこともあります。

しかし、すべてを採用することが、必ずしも暮らしやすさにつながるわけではありません。

 

大切なのは、ランドリールームという名前の部屋をつくることではなく、

毎日の洗濯をどのように行いたいかを考えることです。

 

ランドリールームを設けないことは、決して妥協ではありません。

 

自分たちの暮らし方や床面積、ほかに大切にしたい場所とのバランスを考えたうえで、

必要なものを選び取る。

 

それも、暮らしやすい家をつくるための大切な選択です。



3.洗濯動線は、干す場所だけで決まらない

 

洗濯動線を考えるとき、洗濯機と物干し場の距離に目が向きがちです。

しかし、洗濯は干して終わりではありません。

 

洗う、干す、取り込む、畳む、しまう。

 

乾燥機を使う場合でも、乾いた衣類を取り出し、

それぞれの収納場所へ戻す作業があります。

 

洗濯動線を考えるうえで大切なのは、

こうした一連の動作をどのようにつなげるかということです。

 

例えば、洗濯機と物干し場が近くても、

乾いた衣類をしまう場所が家の中に分散していれば、何度も移動することになります。

 

反対に、洗濯機と収納場所が近ければ、

乾燥機から取り出した衣類をそのまましまうこともできます。

 

 

 

 

わたしたちは間取りを考える際に、

洗濯に関わる家事を誰が、いつ、どのように行うのかを確認します。

 

朝に洗濯するのか、夜に洗濯するのか。

洗濯物は畳んでしまうのか、ハンガーのまま収納するのか。

家族それぞれの衣類を個室にしまうのか、家族で共有する収納場所を設けるのか。

 

こうした日常の習慣によって、使いやすい洗濯動線は変わります。

 

例えば、共働きで夜に洗濯をする家庭なら、

帰宅後の家事や入浴の流れも考えて洗濯機の場所を決める必要があります。

朝に洗濯をして外に干す家庭なら、

洗濯機から物干し場までの移動のしやすさが重要になるでしょう。

 

また、ファミリークローゼットを設ける場合も、洗濯動線との関係を考える必要があります。

洗濯機や乾燥機の近くに家族の衣類をまとめて収納できれば、洗濯後の移動を減らせます。

 

一方で、家族それぞれの個室に収納する方が使いやすい場合もあります。

 

大切なのは、洗濯機、物干し場、収納場所をそれぞれ別々に考えないことです。

 

ランドリールームがあっても、洗濯物をしまうまでに何度も移動する間取りでは、

その便利さを十分に生かせません。

 

逆に、専用のランドリールームがなくても、

洗濯から収納までの流れが整理されていれば、使いやすい間取りはつくれます。

 

洗濯動線は、部屋の数や設備の充実度ではなく、毎日の家事の流れから考えるものです。

 

 

ランドリールームの必要性は、暮らし方から考える

 

ランドリールームは、毎日の洗濯を便利にしてくれる場所のひとつです。

しかし、すべての家庭に必要なわけではありません。

 

室内干しを中心にするのか、乾燥機を使うのか、それとも外干しを好むのか。

洗濯の仕方によって、必要な場所や設備は変わります。

 

また、ランドリールームを設ける場合も、

広さだけで使いやすさが決まるわけではありません。

洗濯機や物干しスペースの配置、作業の仕方、収納までの動線を考えることが大切です。

 

家づくりでは、便利そうな設備や人気の間取りに目が向くこともあります。

しかし、それが自分たちの暮らしに必要かどうかは、別の話なのです。

 

私たちは間取りを考える前に、普段どのように暮らしているのかをお聞きしています。

 

洗濯をする時間、干し方、畳み方、しまう場所。

日々の何気ない習慣の中に、その家族に合った間取りを考えるための手がかりがあります。

 

ランドリールームを設けることも、設けないことも、

どちらかが正解というわけではありません。

 

大切なのは、自分たちの暮らしに必要なものを見極め、選び取ること。

 

その積み重ねが、毎日の暮らしやすさにつながっていくと考えています。

 

 

 

石原紗知江|インテリアコーディネーター
埼玉県深谷市を中心に、車で90分圏内(埼玉県北部・群馬県南部)で
家づくりのお手伝いをしています。
 
イシハラアーキテクトでは、耐震・断熱など住まいの基本性能を大切にしながら、
暮らしに必要な広さや収納、家事動線などを整理し、
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