広さよりも心地よさを考える

公開日:2026/07/03(金) 更新日:2026/07/03(金) 家づくりのこと
こんにちは。インテリアコーディネーターの石原紗知江です。
埼玉県深谷市を中心に、埼玉県北部や群馬県南部で家づくりのお手伝いをしています。





広い家が心地いいとは限りません

毎日の暮らしを豊かにするのは「広さ」よりも「心地よさ」ということ

 

家づくりを考え始めると、
「もう少し広いリビングがほしい」
「収納は多い方が安心」
そんなふうに、広さについて考える場面がたくさんあります。

 

もちろん、暮らしに合った広さは大切です。

 

でも、家づくりのお手伝いをする中で、私がいつも感じることがあります。

広さだけでは、心地よい暮らしは生まれないということです。

 

窓からやわらかな光が入ること。
風が気持ちよく通り抜けること。
家族が自然と集まる場所があること。

 

そんな一つひとつの積み重ねが、
「この家、なんだか居心地がいいな。」
という毎日につながっていくのではないでしょうか。



 

1.心地よさは、広さだけでは生まれない

 

 

家づくりを考え始めると、

「もう少し広くしたい」と思うことは、ごく自然なことです。

 

リビングはできるだけ広く。
収納は多い方が安心。
将来のために一部屋あった方がいい。
来客が泊まれる部屋もあると便利かもしれない。

 

どれも間違いではありません。

 

だからこそ、私たちは打ち合わせの中で、一度立ち止まって考えるようにしています。

 

「その広さが、ご家族の暮らしを豊かにしてくれますか。」

 

少し意地悪な質問に聞こえるかもしれません。

 

でも、その理由を一緒に考えていくと、

「なんとなく広い方がいいと思っていました」とおっしゃる方も少なくありません。

 

家づくりは、一つひとつの「もう少し」を積み重ねていくことで、

少しずつ面積が大きくなっていきます。

 

そして、建物が大きくなれば、その分だけ建築費も上がっていきます。

 

だから私たちは、広さを増やすことよりも、

暮らしの豊かさを増やしたいと思っています。

 

大切なのは、その広さが、ご家族の暮らしを

本当に豊かにしてくれるかどうかだけを考えているからです。

 

私自身、自宅で「この家が心地いいな」と感じる瞬間を思い返してみても、

「広いから好き」と感じたことはありません。

 

朝、部屋にやわらかな光が差し込むこと。

窓を開けると、庭を通り抜けた風が気持ちよく入ってくること。

キッチンに立ちながら、家族の気配を感じられること。

 

そんな何気ない毎日の積み重ねが、

「この家が好き」という気持ちにつながっています。

 

だから私は、広さを足し算していくことよりも、

その家でどんな毎日を過ごしたいのかを、一緒に考えたいと思っています。

 

心地よさは、広さだけでは生まれません。

 

光や風、景色とのつながり、落ち着ける居場所。

 

そうした一つひとつを丁寧に重ねていくことで、

その家らしい心地よさが育っていくのだと思います。

 

 

 

2.「広い家」と「広く感じる家」は違います

 

 

家の広さは、坪数で表すことができます。

 

でも、毎日の暮らしの中で感じる

「広いな」という感覚は、坪数だけでは決まりません。

 

例えば、窓の先に庭や空が広がっているだけで、

部屋は実際の広さ以上に開放的に感じられます。

 

天井の高さに少し変化やリズムをつけたり、

隣の部屋とのつながりを工夫したりするだけでも、空間に広がりが生まれます。

 

反対に、坪数があっても、

家具の置き方や窓の位置、動線の取り方によっては、

どこか窮屈に感じてしまうこともあります。

 

私は、この「体感の広さ」をとても大切にしています。

 

図面の数字だけではなく、その場所に立ったときにどんな景色が見えるのか。

 

どこから光が入り、風が抜けていくのか。

 

ソファに座ったとき、

キッチンに立ったとき、

ダイニングで食事をするとき。

 

その場所でどんな時間が流れるのかを想像しながら、一つひとつ設計を考えています。

 

実際にお客様からも、

「思っていた以上に広く感じますね。」と言っていただくことがあります。

 

私たちにとって、その言葉はとてもうれしい褒め言葉です。

 

それは、面積を増やしたからではありません。

 

光の入り方や視線の抜け方、外とのつながり、暮らし方に合わせた動線など、

小さな工夫を積み重ねた結果なのだと思っています。

 

家づくりでは、「何坪の家にするか」も大切です。

 

でも、それと同じくらい、

「その広さをどう感じられる家にするか」も大切ではないでしょうか。

 

数字だけでは表せない心地よさは、設計の工夫によって生まれることがたくさんあります。




3.家族にちょどいい広さを考える

 

 

「結局、どのくらいの広さがあればいいですか?」

 

これは、打ち合わせでもよくいただく質問です。

 

私たちは、そのたびに「ご家族によって違います」とお答えしています。

少し曖昧に聞こえるかもしれませんが、本当にそう思っているからです。

 

家で仕事をする方もいれば、

休日は家族みんなでリビングで過ごすことが多いご家庭もあります。

 

趣味の時間を大切にしたい方もいれば、

お庭で過ごす時間を楽しみたい方もいます。

 

暮らし方が違えば、心地よいと感じる広さも変わってきます。

 

そのうえで、私たちがお手伝いしてきた住まいを振り返ると、

4人家族で30坪前後のお住まいでも、

心地よく暮らしているご家族を、私たちはたくさん見てきました。

 

それは、30坪という数字が特別だからではありません。

 

必要な場所にはしっかり広さを確保し、

あまり使わない場所はコンパクトにする。

 

家族が集まる場所と、一人で落ち着ける場所のバランスを考える。

 

収納や動線、窓の位置まで含めて丁寧に設計する。

 

そんな積み重ねがあるからこそ、

「ちょうどいい広さ」が生まれるのだと思います。

 

家づくりでは、「念のため」という言葉が出てくることがあります。

 

将来使うかもしれない。
あった方が安心かもしれない。

 

もちろん、その備えが必要なこともあります。

 

でも、その「念のため」が積み重なると、

家は少しずつ大きくなり、建築費も少しずつ増えていきます。

 

だから私たちは、その一つひとつを一緒に考えます。

 

「本当に必要だからつくる」のか。

「なんとなくあった方がいいと思っている」のか。

 

その違いを丁寧に整理していくことが、

ご家族にとって無理のない、心地よい住まいにつながると考えています。

 

私は、家づくりは「どこまで広くできるか」を考える時間ではなく、

「どんな暮らしが自分たちらしいか」を見つけていく時間だと思っています。

 

その答えが見えてくると、不思議と家の広さも、

ご家族にとってちょうどいい形に落ち着いていくことが多いのです。




心地よさは、暮らしの中にあります

 


家づくりでは、どうしても坪数や部屋数、

収納の大きさなど、数字で比較できるものに目が向きがちです。

 

もちろん、それらも暮らしを考えるうえで大切な要素です。

 

でも、本当に毎日の満足につながるのは、

数字では表せない心地よさなのかもしれません。

 

朝の光が気持ちよく入ること。

窓の外の景色に季節を感じられること。

家族が自然と集まる場所があること。

一人でほっと一息つける場所があること。

 

そんな何気ない毎日の積み重ねが、

「この家にしてよかった」という気持ちにつながっていくのだと思います。

 

だから私たちは、家の広さを決める前に、

ご家族の暮らしについてたくさんお話を伺います。

 

どんな毎日を送りたいのか。

どんな時間を大切にしたいのか。

 

その答えが見えてくると、

ご家族にとって本当に必要な広さも、おのずと見えてきます。

 

家づくりは、広さを足し算していくことではなく、

自分たちらしい暮らしを見つけていくこと。

 

家は、完成した瞬間がゴールではありません。

そこで過ごす毎日が、少しずつ暮らしを育てていきます。

 

だから私は、これからも「広さ」ではなく、

「心地よさ」を大切にした家づくりを続けていきたいと思っています。



石原紗知江|インテリアコーディネーター

埼玉県深谷市を中心に、車で90分圏内(埼玉県北部・群馬県南部)で、注文住宅の家づくりや間取りのご相談を承っています。
対話を通して暮らしの動きを整理し、「片付く仕組み」と「暮らしやすい動線計画」を大切にした住まいをご提案しています。
頑張らなくても自然と整う暮らしを、設計の段階から丁寧に形にしていきます。
 
これから家づくりを考える中で、「自分たちの場合はどう考えればいいのだろう」と感じたときは、お気軽にご相談ください。
ご相談はまだ具体的でなくても大丈夫です。
施工エリアについても個別にご案内しております。

 

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