「家づくりで後悔する人」に共通する3つの考えかた
こんにちは。インテリアコーディネーターの石原紗知江です。
埼玉県深谷市を中心に、埼玉県北部や群馬県南部で家づくりのお手伝いをしています。
家づくりで後悔(注文住宅で失敗)をしたくない。
そう思って、たくさんの情報を集めていませんか?
実はその情報が、判断を難しくしてしまうことがあります。
今日は、家づくりで後悔しやすい方に共通する「3つの考え方」についてお話しします。
どれも特別なことではなく、多くの方が無意識に取り入れてしまっている考え方です。
当てはまったら要注意。一度立ち止まってみませんか?

SNSや施工事例を見て「素敵だな」と感じたり、
設備や間取りについて調べたりする時間も、家づくりの楽しさのひとつだと思います。
ただその一方で、情報や選択肢が増えるほど、
「自分たちにとっての正解」が少しずつ見えにくくなってしまうこともあります。
実は、家づくりでうまくいかなくなる方ほど、
ある共通した「考え方のクセ」を持っていることがあります。
どれも間違いではないけれど、そのまま進めてしまうと少しだけ注意が必要です。
気づかないうちに、暮らしにくさにつながってしまうことも。
今回は、そんな「後悔しやすい3つの考え方」について、
実際のご相談の中でもよく感じるポイントをもとにお伝えします。
1.SNSの”完成写真”を基準にしてしまう

SNSで見かける素敵な住宅。
「こんな雰囲気にしたいな」と感じたことがある方も多いのではないでしょうか。
明るく整えられたリビングや、いつでもすっきりと片付いたキッチン。
どの写真も魅力的で、見ているだけで理想の暮らしが広がっていくように感じられます。
実際に、家づくりの参考例としてSNSを活用すること自体は、とても良いことだと思います。
私自身も素材や色合わせなど、たくさん参考にさせていただきました。
SNSはイメージを膨らませたり、自分たちの「好き」を知るきっかけにもなります。
実際の打ち合わせの時にも、お施主様の「好きな写真」を見せていただきながら、イメージの共有をさせていただいています。
ただ、少しだけ気を付けてほしいのは、
“完成された一場面”だけを基準にしてしまうことです。
そこに写っているのは、暮らしの中のほんの一瞬。
生活感が出やすいものは映らないように工夫されていたり、
撮影のために一時的に整えられていることも少なくありません。
SNSに映し出される世界観は「切り取られた場面」であることを忘れてはいけません。
さらに、その空間が「どのように使われているのか」までは、
一枚の写真だけでは想像するしかなく、なかなか見えてこないものです。
動線や使い心地、日々の片付けやすさといった日常の部分は、
実際に暮らしてみてわかってくるものです。
そのため、見た目の印象だけで判断してしまうと、
いざ暮らし始めたときに「思っていたより使いにくい」となってしまうことも。
大切なのは、その空間で「どう過ごすのか」という視点です。
どんな時間を過ごしたいのか、どんな動きをするのかを
少しだけ具体的に想像してみることができれば、
見た目だけではわからなかった自分たちに合う形がきっと見えてきます。
“素敵に見える”と“暮らしやすい”は、必ずしも同じではありません。
その違いに気づけるかどうかで、これからの生活は大きく変わっていきます。
2.収納量だけを増やしてしまう

「収納は多いほうが安心」
そう考えるのはとても自然なことで、多くの方が”収納量”を気にしています。
実際の家づくり相談でも
「とにかく収納はたくさん欲しいです」というお声はよく耳にします。
物がきちんと収まることで、空間がすっきりと整い安心感に繋がるからだと思います。
「とりあえず収納を増やしておけば安心」
そう考えたことがある方も多いのではないでしょうか。
ただここで少し気をつけたいのが、
“量を増やすこと”だけに意識が向いてしまうことです。
収納は、多ければ多いほどいいというものではないのです。
どこに、どんなふうに配置されているかによって、使いやすさは大きく変わってきます。
例えば、広さや容量は十分にあるのに、使う場所から遠かったり、
動線に合っていなかったりすると、
「出し入れが面倒で結局使わない」ということも起こりがちです。
また、収納が多いことで「とりあえずしまう」ことが習慣になり、何でも詰め込んでしまう。
気づかないうちに物が増えてしまうケースも少なくありません。
扉のある収納の場合、前に物が置かれてしまうと、
扉を開けてしまうことよりも「とりあえず置く」が優先されがちです。
その結果、扉の前に物が重なり、だんだんと開けること自体が億劫になってしまうこともあります。
実際に、そうした“使われなくなってしまった収納”を、これまで何度も見てきました。
大切なのは、“どれだけしまえるか”ではなく、“どう使えるか”という視点です。
チェックするポイントは「動き」と「流れ」です。
日々の「動き」の中で、無理なく出し入れできるか。
片付けるまでの「流れ」が自然にできているか。
そういった視点で考えることで、はじめて「使いやすい収納」になります。
収納量を増やす前に、自分たちの暮らし方に合った配置や使い方を見直してみること。
それが、無理なく整う住まいにつながっていきます。
3.「今」ではなく「理想の生活」で考えてしまう

これからの暮らしを思い描きながら、どんな住まいにしていこうかと考えていく中で、
「こんな暮らしができたらいいな」と理想を思い描くことは、とても自然なことです。
お気に入りのインテリアに囲まれてゆったり過ごしたり、
すっきりと片付いた空間で心地よく暮らしたりを想像すると、
イメージは楽しい方向へどんどんと膨らみますよね。
理想のイメージがあるからこそ、家づくりは楽しく進んでいくものです。
ただその一方で、少し気をつけたいのが、
その理想が“今の自分たちの暮らし”から離れすぎてしまうことです。
例えば、
「毎日きれいに片付いた状態を絶対に保つ」
「生活感を微塵も出さない」
などと強くイメージをしてしまうこと。
けれど、今の生活の中で無理なく続けられるかどうかを考えずに取り入れてしまうと、
気づかないうちに日常が負担になってきてしまいます。
最初は頑張れても、少しずつ続かなくなり、
「なんとなく使いにくい」「思っていた暮らしと違う」と感じてしまう。
そうしたご相談も、実際に少なくありません。
大切なのは、“理想”を描くだけでなく、
“今の暮らしの延長線で実現できるか”という視点を持つことです。
普段どんなふうに過ごしているのか。
どんな動きが多いのか。
どこで手間やストレスを感じているのか。
そうした日々の積み重ねをもとに考えていくことが、
無理なく続けられる、心地よい暮らしに近づいていくと感じています。
理想やイメージを否定するのではなく、
“今の自分たちに合う形に整えていくこと”が家づくりには大切なのです。
それが、後悔しない家づくりにつながっていきます。

今回お伝えしたのは、
家づくりで後悔しやすい3つの考え方です。
・SNSの完成写真を標準にしてしまうこと
・収納量だけを増やしてしまうこと
・「今」ではなく「理想の生活」で考えてしまうこと
どれも、決して間違いではありません。
むしろ、多くの方が自然と考えてしまうことだと思います。
ただ、そのまま進めてしまうと、
気づかないうちに暮らしにくさにつながってしまうこともあります。
家づくりで大切なのは、正解の間取りを探すことではありません。
家族の暮らしを丁寧に整理することだと思います。
図面を見る前に、まずは暮らしの流れを考えてみる。
それだけで、防ぐことのできる後悔はたくさんあるはずです。
今回のコラムを読んでみて、
もしひとつでも「当てはまるかもしれない」と感じたら、
それは一度立ち止まって見直すタイミングかもしれませんね。
家づくりは、たくさんの選択の積み重ねです。
だからこそ、小さな違和感をそのままにせず、
早い段階で整理しておくことがとても大切だと感じています。
自分たちだけで考えていると見えにくいことも、
少し視点を変えるだけで、すっと整理できることもあります。
もし迷いや不安を感じているようでしたら、
一度、お話を聞かせていただけたら嬉しいです。
まだ具体的でなくても大丈夫です。
「何となく不安」「これでいいのかな」という段階でも、ぜひお聞かせください。