「なんとなく決めた間取り」が一番後悔する理由

公開日:2026/06/07(日) 更新日:2026/06/04(木) 家づくりのこと

「なんとなく決めた間取り」が一番後悔する理由

 

こんにちは。インテリアコーディネーターの石原紗知江です。
埼玉県深谷市を中心に、埼玉県北部や群馬県南部で家づくりのお手伝いをしています。

 

 

満足する人と後悔する人の違いは間取りではなく「決め方」にあります

 

家づくりでは、たくさんの決断を繰り返します。

間取り、収納、窓、設備、外観、予算。

 

一つひとつは小さな選択に見えても、

その積み重ねがこれから何十年も暮らす家をつくります。

 

では、その選択をするとき、あなたはどんな基準で決めていますか?

 

「なんとなく良さそうだったから」
「人気があると聞いたから」
「後悔したくなかったから」

 

もしそんな理由が多いとしたら、少し立ち止まって考えてみてもいいかもしれません。

 

満足している人は、自分たちにとって大切なことが明確です。

 

反対に後悔が多い人ほど、「何を選ぶか」ばかりに目が向き、

「なぜ選ぶのか」を考える時間が少ないように感じます。





1.「なんとなく」が家づくりを難しくする

 

 

家づくりは、人生の中でも大きな決断のひとつです。

 

間取りや収納、窓の位置、設備の選択など、

一つひとつを考えると決めることは想像以上にたくさんあります。

 

そのため、情報を集めれば集めるほど迷ってしまう方も少なくありません。

 

SNSでは素敵な施工事例が次々と流れてきますし、

住宅会社のホームページを見れば魅力的な提案が並んでいます。

 

家づくり経験者の話を聞けば、

「これを付けて良かった」「これは後悔した」という意見もたくさん出てきます。

 

そんなたくさんの情報に触れる中で、

気づかないうちに判断の基準が曖昧になってしまうことがあります。

 

例えば、

「安かったから」

「有名なメーカーだったから」

「みんながそうしているから」

「なんとなく良さそうだったから」

 

そんな理由で選んだ経験はないでしょうか。

 

もちろん、これらの理由が悪いわけではありません。

 

価格を重視することも大切ですし、

多くの人に選ばれている商品にはそれなりの理由があります。

 

ただ、その選択が自分たちの暮らしに本当に合っているのかまで考えられていないと、

住み始めてからの違和感として徐々に現れることがあります。

 

家づくりには、誰にでも当てはまる正解はありません。

 

子育て中のご家族と、

ご夫婦二人暮らしでは暮らし方が違いますよね。

 

共働きなのか、

在宅ワークなのかによっても必要なものは変わります。

 

だからこそ、「何を選ぶか」以上に、

「なぜそれを選ぶのか」が大切なのです。

 

その理由が曖昧なまま進んでしまうと、判断の基準が他人任せになり、

自分たちに合った選択が見えにくくなります。

 

そして、そのときは満足して決めたつもりでも、

後になって「思っていたのと違った」と感じる原因になることがあります。

 

「なんとなく」は楽な判断です。

でも、その代わりに住み始めてから考えることになるのかもしれません。





2.後悔は住み始めてから「理由」として現れる

 

 

家づくりの後悔は、完成したその日に気づくものではありません

 

実際に暮らし始めてから、少しずつ「使いにくさ」として現れてきます。

 

例えば収納です。

収納は多ければ安心だと思われがちですが、

量だけでは解決しないことがあります。

 

使う場所から遠かったり、

奥行きが深すぎたり、

高い位置にあったりすると、

収納があっても使わなくなってしまいます。

 

結果として、よく使うものは出しっぱなしになり、

「収納はたくさんあるのに片付かない」という状態になることがあります。

 

動線も同じです。

買い物から帰ってきたとき、玄関からキッチンまでの距離が長い。

洗濯機から物干し場まで何度も行き来しなければならない。

外で遊んできた子どもが泥だらけのままリビングを通る。

 

図面の上では気にならなかったことが、

毎日の小さな負担になることがあります。

 

広さについてもよくあります。

玄関は少し狭くても大丈夫だと思っていたけれど、

家族が同時に出入りすると窮屈だった。

 

洗面脱衣室で着替えや洗濯物を扱うと想像以上に手狭だった。

 

駐車場も、車を停めるだけなら問題なくても、

自転車や来客の車まで考えると余裕がなかった。

 

そんなケースも少なくありません。

 

窓も後悔の声を聞くことが多い場所です。

大きな窓をつくったけれど、西日が強くて暑い。

明るさを優先したつもりが、隣家の窓と視線が重なって落ち着かない。

吹き抜けの高い位置に窓を付けたものの、

掃除やメンテナンスの方法まで考えていなかった。

 

窓は見た目だけでなく、

光や風、視線、メンテナンスまで含めて考える必要があります。

 

コンセントも代表的な例です。

数は足りていても、家具を置いたら使えなくなってしまった。

掃除機をかけたい場所にない。

充電したい場所から遠い。

 

住み始めてから、「ここに欲しかった」と気づくことは意外と多いものです。

 

こうして並べてみると、

後悔の原因は収納や動線、

窓やコンセントそのものにあるように見えます。

 

でも本当は、それぞれに共通する理由があります。

 

それは、「どんな暮らしをするのか」を具体的に想像する機会が足りなかったことです。

 

もちろん、これは誰かが悪いという話ではありません。

 

家づくりは多くの方にとって初めての経験です。

住んだことのない家での暮らしを、

最初から具体的にイメージすることは簡単ではありません。

 

だから私たちも打ち合わせの中で、

「普段どこで洗濯物を畳みますか?」

「買い物は週に何回くらいですか?」

「お子さんは帰宅後どんな動きをしますか?」

といった、一見すると間取りとは関係のないようなことまでお聞きすることがあります。

 

それは間取りを考えているというより、

そのご家族の暮らしを知りたいからです。

 

図面だけを見ていても、本当に暮らしやすい家はつくれません。

 

毎日の生活を一緒に想像しながら考えることで、

そのご家族に合った選択が見えてくることがあります。

 

これらは、「間取りが悪かった」のではなく、

決める前に暮らしを具体的に考える時間が足りなかった結果なのかもしれません。

 

だからこそ私たちは、

間取りの話だけでなく、暮らしの話を大切にしています。




3.決断の質を上げる人は「理由」を言葉にしている

 

 

打ち合わせをしていると、

 

「なんとなく」

「念の為」

「一応」

 

という言葉を耳にすることがあります。

 

実は、この言葉そのものが悪いわけではありません。

 

家づくりは初めてのことばかりです。

 

何が必要で何が不要なのか、

最初からはっきり分かる方の方が少ないと思います。

 

だからこそ、「なんとなく気になる」「一応付けておきたい」

という感覚から家づくりが始まることも自然なことです。

 

ただ、そのまま決めてしまうのか、

それとも一歩踏み込んで理由を考えるのかで、

その後の満足度は大きく変わってくるように感じます。

 

例えば、

「パントリーが欲しいです」

というご要望があったとします。

 

理由をお聞きすると、

「なんとなくあった方が便利そうだから」

ということがあります。

 

でも、さらにお話を伺っていくと、

「まとめ買いをすることが多い」

「災害時の備蓄を収納したい」

「生活感が見えないキッチンにしたい」

など、本当の理由が見えてきます。

 

そうすると必要な広さも変わりますし、設置する場所も変わります。

場合によっては、パントリーという形ではなくても解決できることがあります。

 

ランドリールームも同じです。

「みんな付けているから」

「念の為あった方がいいと思って」

という理由で検討されることがあります。

 

もちろん、それもきっかけとしては十分です。

 

ただ、

「共働きで夜に洗濯することが多い」

「花粉の時期は外干しをしない」

「洗う・干す・しまうを一か所で完結させたい」

という理由が見えてくると、本当に必要な広さや設備が整理されていきます。

 

反対に、理由が曖昧なまま決めたものは、

住み始めてから使わなくなることもあります。

 

家づくりでは、

「付けて後悔するくらいなら、一応付けておこう」

という考え方になることがあります。

 

その気持ちもよく分かります。

 

ですが、「念の為」の積み重ねは、予算にも広さにも影響します。

 

本当に必要なものまで見えにくくしてしまうことがあるのです。

 

満足度の高い家づくりをされる方は、

特別な知識を持っているわけではありません。

 

住宅設備に詳しいわけでも、

間取りの正解を知っているわけでもありません。

 

ただ、自分たちなりの理由を持っています。

 

「収納が欲しい」ではなく、

「何を収納したいのか」

 

「広いリビングが欲しい」ではなく、

「そこでどんな時間を過ごしたいのか」

 

「吹き抜けが欲しい」ではなく、

「なぜ吹き抜けに魅力を感じているのか」

 

そんなふうに、自分たちの暮らしを言葉にしながら選択しています。

 

私たちが打ち合わせの中でたくさん質問をするのも、そのためです。

 

間取りを考えたいのではなく、そのご家族の暮らしを知りたいのです。

 

「なんとなく」

「念の為」

「一応」

 

という言葉の奥には、

そのご家族にとって本当に大切な価値観が隠れていることがあります。

 

その理由が見えてくると、選択に迷いが少なくなります。

 

家づくりは、何を選ぶかを誰かと競うものではありません。

 

自分たちにとって何が大切なのかを知り、

その理由を持って選んでいくこと。

 

それが、後悔を減らし、納得できる家づくりにつながるのだと思います。



あなたは、その選択の理由を説明できますか?

 

 

家づくりでは、たくさんの選択を重ねていきます。

 

間取り、収納、窓、設備、外観。

 

その一つひとつに正解はありません。

 

だからこそ大切なのは、

誰かの正解を探すことではなく、自分たちなりの理由を持つことです。

 

「収納を増やしたい」

「ランドリールームが欲しい」

「吹き抜けに憧れる」

 

その選択は、なぜ必要なのでしょうか。

 

どんな暮らしをしたいからでしょうか。

 

どんな困りごとを解決したいのでしょうか。

 

目的が言葉になると、本当に必要なものが見えてきます。

 

そして、その目的が見えてくると、自分たちなりの選択基準ができていきます。

 

選択基準がある人は、情報に振り回されにくくなります。

 

SNSで素敵な家を見ても、

住宅展示場で魅力的な提案を受けても、

「自分たちに必要かどうか」で判断できるようになります。

 

家づくりは、正解探しではありません。

 

自分たちらしい暮らしを見つけていく作業です。

 

目的を言葉にし、
選択の基準を持つ。

 

その積み重ねが、納得できる家づくりにつながっていきます。

 

「なんとなく」を卒業すると、家づくりは変わります。

 

これから何かを選ぶときは、ぜひ一度立ち止まって考えてみてください。

 

その選択の理由を、自分の言葉で説明できますか?






 
石原紗知江|インテリアコーディネーター

埼玉県深谷市を中心に、車で90分圏内(埼玉県北部・群馬県南部)で、注文住宅の家づくりや間取りのご相談を承っています。
対話を通して暮らしの動きを整理し、「片付く家」と「暮らしやすい動線計画」を大切にした住まいをご提案しています。
頑張らなくても自然と整う暮らしを、設計の段階から丁寧に形にしていきます。
 
これから家づくりを考える中で、「自分たちの場合はどう考えればいいのだろう」と感じたときは、お気軽にご相談ください。
ご相談はまだ具体的でなくても大丈夫です。
施工エリアについても個別にご案内しております。

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