長く住み継げる住まい
住まいは、建てた瞬間に完成するものではありません。
10年、20年、そして次の世代へと住み継いでいくために、
目に見えない部分にこそ、確かな理論と丁寧な施工が必要です。
「劣化しにくいこと」と「手を入れながら長く使えること」。
その両方を大切に、住み継げる家の土台をつくっています。
耐久性の高い基礎・構造(100年持つコンクリートの考え方)
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住まいの寿命を大きく左右するのは、 仕上げ材ではなく、基礎や構造といった"骨格"の品質です。
私たちは基礎コンクリートに30N/mm²の強度を採用しています。
これは建築工事標準仕様書 JASS5 の「耐久設計基準強度(Fd)」の考え方を踏まえ、
中性化や鉄筋腐食といった経年劣化まで視野に入れた、 100年先を見据えた仕様です。
完成時の性能だけでなく、 時間が経っても構造体が健全であり続けるための選択。
見えない部分ほど、丁寧に、誠実に向き合っています。
結露計算による内部結露対策(壁体内の健全性を設計で担保)
壁の中で起きる結露は、気づいた時にはすでに進行していることが多く、
構造材の劣化やカビの原因になります。
高断熱・高気密の家ほど、湿気の移動まで見据えた設計が欠かせません。
私たちは、室内外の温湿度差の中で湿気がどう移動するかを、
材料ごとの透湿抵抗値をもとに計算し、 断熱・気密・防湿・通気の役割を層ごとに整理しながら、
結露が起きにくい壁・屋根・床の構成を組み立てます。
「見えない場所で傷まない」ことを、経験則ではなく理屈で裏付ける。
壁体内の健全性を守るこの取り組みが、住み継げる住まいの土台になります。
ホウ酸処理による防蟻対策


住まいを長く守るうえで、シロアリ対策は欠かせません。
私たちは、木部の防蟻処理にホウ酸を採用しています。
一般的な土壌処理系の薬剤は、時間の経過とともに効力が薄れていきますが、
ホウ酸は揮発しにくく、適切に施工すれば効果が長期間持続します。
人や室内環境への影響も穏やかで、長く住み継ぐ家との相性がよい素材です。
ただし、薬剤だけに頼るのではなく、
湿気をためにくい設計や確実な雨仕舞と組み合わせることで、
シロアリと腐朽の両面から住まいの骨格を守っています。
地域の山の木で、骨格をつくる

私たちは、地域の山で育った檜や杉を構造材に用いています。
どこで育ち、どのような背景をもつ木なのかを理解したうえで、
責任を持って選ぶこと。つくり手自身がその来歴を把握し、
お施主さまにきちんと説明できること。 それが、地域材ならではの大きな価値だと考えています。
その土地の気候風土の中で育った木は、住まいの材料としても自然な選択です。
地域の木を使うことは、森林の循環を支え、 暮らしの基盤を次の世代へつなぐことにもなります。
設備は必ず壊れる前提で“更新しやすく”


どんなに高性能な設備でも、いつか必ず更新の時期が来ます。
だから私たちは「壊れない家」ではなく、
「壊れたときに困らない家」を前提に設計します。
専用開発された設備やシステムは、 更新時にまとまった費用がかかり、
交換だけで200万円という話も珍しくありません。
私たちは、いつでも手に入る汎用品を建築的な工夫で使うという考え方を大切にしています。
点検口の位置、配管・配線の経路、機器の搬入出、
将来の機器サイズ変更まで見据えておくことで、
交換は「大工事」ではなく「計画されたメンテナンス」になります。